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首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう
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首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。34限目は「横浜環状北線の建設状況を学ぼう」として、2011年(平成23年)11月11日に行われました。

「首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう」では、横浜環状北線の建設現場でトンネル建設について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上の約20名が参加しました。ブルーライン北新横浜駅の近くにある横浜環状北線の新横浜立坑の建設現場へ集合、14時より開始となります。
見学の参加者には、資料・ヘルメット・軍手・防塵マスク・レシーバーが用意されています。まずは、工事における概要の説明を受けます。
横浜環状北線のトンネルを掘るために、シールドマシンと呼ばれる巨大な円筒形の掘削機が使われます。シールドマシンは、最大級といわれる外径12.49メートル、長さ11.5メートル、重さ1,500トン。高さは3階建てのビルと同じくらい、重量はジャンボジェット機の約7.5倍ほどもあります。
先端のカッターディスクで前面の土砂を掘削すると同時に、トンネルの壁面となる「セグメント」というパーツをリングにして組み立てながら、組み上がったセグメントを足がかりにしてジャッキの力で前へと進みます。
9個のセグメントを円筒に組み立ててリングを1つつくると、約2メートルのトンネルができます。
現在、横浜市を囲むように、都心から10km〜15kmの位置に横浜環状道路の整備が進められています。横浜環状道路は、首都高速道路の「横浜環状北線(きたせん)」、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の一部となる「横浜環状南線(よこかんみなみ)」、未定の「横浜環状西線」で構成されます。

横浜環状北線 - 広報資料より引用
横浜環状北線は、延長約8.2kmの約7割がシールドマシンによるトンネル構造です。シールドマシンは横方向に掘り進めるため、地上を掘り起こす必要がなくなります。家屋の移転は少なくなり、周辺環境を保全することができます。
横浜環状北線 - 広報資料より引用/クリックすると拡大します
トンネルは、新横浜立坑から子安台換気所までの約5.5kmを、「ナッピー号」「コッピー号」と名づけられた2機のシールドマシンが同時に、止まることなく掘削していきます。ナッピー号は外回り(生麦行き)のトンネル、コッピー号は内回り(港北行き)のトンネルを造り進めます。愛称は一般公募により選ばれました。階段で地下へと移動します。
立坑の最下部が見えてきました。
新横浜立坑の地下約30メートル、シールドマシンが発進していった箇所となります。
2010年(平成22年)7月23日に行われた「首都高速道路 メルマガ講座 横浜環状北線(きたせん) 新横浜立坑」では、ほぼ同じ箇所で、組み立て途中のシールドマシンを見ることができました。
立坑の開口部の上には建設ヤードがあり、トンネルを造るための資材や機材の搬入および搬出をしています。シールドマシンは神戸の工場で造られた後、分解して2日間かけて新横浜立坑まで運ばれ、再び組み立てられトンネルを掘り進めています。
掘られたトンネルは「床版」という板で上下に区切られ、上はコンクリートで舗装されて道路となり、下は避難通路となります。
シールドマシンが掘り進んだトンネルは「シールドトンネル」と呼ばれます。断面は円形になっています。
反対側を見てみます。地上に穴をあけて、コンクリートを埋め込んで造られたトンネルで、「開削トンネル」と呼ばれます。断面は四角形になっています。
ナッピー号が掘り進んでいる、トンネルの工事用の通路を歩きます。左側には、トンネルを上下に分ける床版が敷かれています。
壁に、立坑からのリングの数を示す「数字+R」という表記がされています。30R=30リング、1リングは約2メートルなので、ここは横浜立坑から60メートルの地点ということになります。
床版がない箇所へ着きました。振り返ると、床版台車により床版が組まれています。
同じ箇所では、床版が載るための施工がされています。
トンネルを掘り進めるための、様々な台車があります。セントル台車1が稼働しています。セントル台車とは、掘削したトンネルの壁面にコンクリートを打設するための、走行式の型枠です。
先には、セントル台車2が稼働しています。
トンネルの下部にはレールが敷かれ、セグメントを搬送するための台車が走ります。
ところどころで壁に、地上部分での位置の表記がされています。約4メートル上には、横浜市営地下鉄あざみ野行きが通っています。
先へ進みます。約23メートル上には、新横浜大橋が架かる位置となります。
色が異なる箇所では、使われているセグメントの材質が異なっています。ほとんどの箇所ではコンクリート製のセグメントが使われ、換気所や分合流部など一部の箇所では鋼製セグメントが使われます。この個所には新横浜換気所がつくられる予定となっています。
鉄筋を施工するための鉄筋台車が稼働しています。
新横浜立坑から500リング目、約1kmの地点となります。
メンテナンス台車が稼働しています。
発進立坑より約1.7km歩いて、掘削を続けるシールドマシン、ナッピー号に到着しました。
地上では、JR東海道新幹線と東急東横線の間くらいの位置となります。
シールドマシンの中へと入っていきます。
トンネルの上部に設置されている巨大な緑色のダクトの先からは、絶えず新鮮な空気が送り込まれています。
シールドマシンの後部から、歩いてきた発進立坑の方向を見ます。セグメントが搬送されてきました。

台車に乗せられたセグメントは、シールドマシンの下を通り、前部へと送られます。
シールドマシンの先端では、約500個のカッタービットと呼ばれる歯で構成された「カッター」を回転させて土を掘りると同時に、「エレクター」によってセグメントが組み立てられ、トンネルの壁を造っていきます。
出された土は「スクリューコンベア」で地上を通り鶴見川の対岸まで送られ、土砂搬出構台でダンプトラックに積み替え大黒中継所まで高速経由で運搬し、横浜市港湾局の南本牧埠頭の埋め立てで再利用されます。一日あたり500台〜600台のトラックで運ばれます。
歩いてきたルートをそのまま戻り、今度は地上にある建設ヤードへと移動します。
トンネルを施工するために必要な、様々な資材や機材がストックされています。
トンネルの床部材となる床版が積まれています。
トンネルの壁部材となるセグメントが積まれています。「SFRCセグメント」と呼ばれ、通常のセグメントと比較して、鋼繊維(Steel Fiber)を混ぜることにより耐久性が向上、ポリプロピレン繊維(PP)を混ぜることで耐火性が向上するなど、様々なメリットがあります。1枚当たりの重さは約9トン、全部で5,000リングを製作する予定となっています。
立坑の開口部の下には、先ほど下から見上げた立坑の最下部があります。開口部を通して、資材や機材の搬入および搬出をしています。
セグメントが次々とシールドマシンへ搬入されていきます。
シールドマシンを遠隔で操作や調整する中央制御室となります。現場は無人ではなく、エレクターを操作する人、後方から運んできた材料を前に送り出す人など、常時10数名のクルーが中に入っています。
シールドマシンのナッピー号とコッピー号はそれぞれ、1ヵ月間で約240メートル進み、約2年間で新横浜立坑から子安台換気所まで到着する予定となっています。
ここにて「首都高講座 34限目:横浜環状北線の建設状況を学ぼう」は終了となります。
横浜環状北線の有用性と工事における周辺に対する配慮を、深く知ることができました。
横浜環状北線の開通により、新横浜と羽田空港との移動は10分短縮の約30分、新横浜と鶴見との移動は15分短縮の約15分となります。広域的な交通利便性が向上、新横浜都心・京浜臨海部などの活性化、生活環境の改善など、さまざまな効果が見込まれています。
横浜環状北線の開通を、心より願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 33限目:交通管制システム「AISS’09」と山手トンネルの防災設備を学ぼう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。33限目は「交通管制システム「AISS'09」と山手トンネルの防災設備を学ぼう」として、2011年(平成23年)10月20日に行われました。

「首都高講座 33限目:交通管制システム「AISS'09」と山手トンネルの防災設備を学ぼう」では、中央環状線の山手トンネルをカバーする新しい交通管制システムについて学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加できます。18歳以上の約20名が参加しました。
18時25分、東京メトロ永田町駅近くの首都高速道路西東京管理局に集合します。
建物の中へ入り、施設やシステムの概略について説明を受けます。
首都高速道路のすべての路線について、24時間365日、最新の情報を収集・処理・提供する仕組みが「交通管制システム」となります。
首都高速道路は、西東京管理局・東東京管理局・神奈川管理局と地区を3つに分けて管理しています。営業している路線は301.3kmあり、以下のように管理されています。
西東京管理局(管理路線 延長120.5km):
1号線・2号線・3号線・4号線・5号線・都心環状線・中央環状線(大橋JCT〜江北JCT)・埼玉大宮線・埼玉新都心線・八重洲線
東東京管理局(管理路線 延長107.6km):
6号線・7号線・8号線・9号線・10号線・湾岸線(東京・千葉地区)・中央環状線(江北JCT〜葛西JCT)・川口線・11号線(レインボーブリッジ)
神奈川管理局(管理路線 延長71.2km):
1号横羽線・2号三ツ沢線・3号狩場線・5号大黒線・6号川崎線・湾岸線(神奈川地区)
なお、建設している路線は21.2kmとなっています。
東東京管理局については「首都高講座 4限目:レインボーブリッジ開通15周年 東東京管理局」、神奈川管理局については「首都高講座 2限目:神奈川地区の交通管制室と保全点検」をご参考ください。
「交通管制室」へ移動します。まずは「施設管制システム」を見ます。
道路やトンネルに配置されている防災設備・換気施設・電気施設について、動作状況や故障情報を管理をします。
停電が起きたときには自家発電で対応するため、機能が停止することはありません。
つぎに「交通管制システム」を見ます。
渋滞や事故などの交通状況を的確に把握して、ドライバーへ迅速に情報を提供します。
2009年(平成21年)11月に運営を開始した新しい交通管制システム「AISS'09」(Advanced&Integrated Smartway System)は、西東京管理局と東東京管理局の路線を統合して管理します。
表示装置は、横17メートル、縦3.7メートル。世界最大となる、14画面を一体にした120インチのプロジェクター方式となります。
AISS’09はこれまでのシステムと比べて、きめの細かい情報提供が可能となっています。例えば故障車が発生した場合、これまでは『故障車注意』という表示だったものが、『この先 左車線 故障車 注意』と車線情報が表示されるようになりました。
中央には首都高速道路すべての路線、左には中央環状線の山手トンネル、右には交通や天候についての状況が、それぞれ表示されています。
表示装置を一望できる上部には、ラジオで流れる交通情報をアナウンスする部屋があります。
渋滞は度合いによって5色で表現されています。
紫:重渋滞(〜10km/h)
赤:軽渋滞(10〜20km/h)
橙:重混雑(20〜30km/h)
黄:軽混雑(30〜40km/h)
白:自然流
事故・障害物・工事ものアイコンによって直感的にわかる表示となっています。
中央環状線の山手トンネルは長大なトンネルのため、個別に管理されています。約400台のテレビカメラから送られてくる映像により、停止車両や低速車両の走行異常を自動的に判断して表示したり、落下物などを即座に発見することができて、迅速な対処が可能となっています。
屋外へ移動します。パトロールカーと電気自動車を見ることができます。
【東京スマートドライバー仕様電気自動車】交通事故を減らすための行動である「スマートドライブアクション」を呼びかけています。
【パトロールカー】落下物や事故などの緊急事態にいち早く駆けつけます。首都高速道路の路線を、1日24時間ほぼ2時間毎に、巡回および点検しています。
2011年(平成23年)4月時点で、一日に、交通事故約30件、故障約32件、落下物約86件が発生しているとのことです。年間では事故10,913件、落下物31,724件となっています。
再び建物の中へ戻り、展示されている設備を見ます。
【ETCのアンテナ】ETCを検知して、信号のやりとりをします。
【車両検知器】5メートル間隔に設置されているセンサーにより車の速度を算出、交通管制システムへ情報が送られます。首都高速道路の本線には、約300メートルから600メートル間隔で設置されています。
折られてしまった、ETCのバー。車を傷つけないために軽い素材でつくられています。
首都高速道路では、ETC利用率が9割弱に達しています。
ここにて「33限目:交通管制システム「AISS'09」と山手トンネルの防災設備を学ぼう」は終了となります。
2011年現在、総延長301.3km、一日に約112万台の車が通行している首都高速道路。最新のシステムと人々の地道な保守により、安全な利用ができるということを実感することができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 32限目:猛暑 汗だく トンネルツアー(中央環状品川線)
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。32限目は「猛暑 汗だく トンネルツアー」として、2011年(平成23年)9月8日に行われました。

「首都高講座 32限目:猛暑 汗だく トンネルツアー」では、中央環状品川線の建設現場でトンネル建設について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上の約20名が参加しました。
中央環状品川線の大井現場事務所へ集合、14時より開始となります。
集合場所の大井現場事務所は、「大井ジャンクション鋼桁架設工事(夜間通行止:湾岸線東行き)」「大井ジャンクション鋼桁架設工事(夜間通行止:湾岸線西行き)」が行われた、大井ジャンクションとなる付近となります。
見学の参加者には、資料・ヘルメット・軍手・防塵マスク・レシーバーが用意されています。
中央環状品川線は、すでに供用されている中央環状新宿線と湾岸線とを結ぶ、中央環状線の南側部分にあたる首都高速道路。現在、3号渋谷線と中央環状新宿線は大橋ジャンクションで結ばれていて、ここに中央環状品川線を接続することで、中央環状線が完成します。

中央環状品川線の延長は約9.4kmで、うち約8.4kmは山手通りもしくは目黒川の地下を通ります。
大井ジャンクションと大橋ジャンクションの間には五反田出入口があり、1号羽田線と2号目黒線には接続しません。
まずは、工事における概要の説明を受けます。
中央環状品川線の施工は、内回りとなる大井行のトンネルを東京都が、外回りとなる大橋行のトンネルと五反田出入口を首都高速道路が、それぞれ担当します。

トンネルを掘るために使われるシールドマシンは、円筒形の掘削機。先端のカッターディスクで前面の土砂を掘削しながら、組み上がったセグメントを足がかりにしてジャッキの力で前進、同時に、トンネルの壁面となるセグメントというをリング状に組み立てながら進みます。
内回りと外回りの2つのトンネルは、大井ジャンクション付近から大橋ジャンクションへ向けて、シールドマシンによりほぼ同時に掘削が始まりました。2011年(平成23年)9月8日現在、大井行が東急東横線の下となる約6.7kmを、大橋行は山手通りの目黒警察署の下となる約5.7kmを、それぞれ通過しました。
専用の歩道橋を渡り、シールドマシンの発進基地である大井北立坑へと移動します。
トンネルを形づくるセグメントがトレーラーで運び込まれ、セグメントストックヤードに積まれた後、地下へと搬入されていきます。
中央環状線のような世界規模のトンネルは、いくつかの会社がJV(共同企業体)を構成して、工事を請け負います。
中央環状品川線は、東京都の発注した大井行のトンネルを大成建設JVが、首都高速道路の発注した大橋行のトンネルを鹿島JVが、それぞれ工事を請け負っています。発進基地ではJVにより、工区が明確に分かれています。

エレベーターで地下へと移動します。
エレベーターの横には垂直ベルコンが2基あり、トンネルの先端でシールドマシンによって掘られた土砂が運び出されています。1時間当たり215立方メートルの土砂を運び出される垂直ベルコンを2基稼働させることで、最大掘進速度で発生する386立方メートルの土砂に対応することができます。

地下約40メートルへと下りました。
55t大型資材リフトが設置されています。1回につき4ピースのセグメントを搬入することができ、一般の大型車両も積載できます。
生コンを補充するための装置があり、坑内へ搬入されたトラックミキサー車により運搬されます。
シールドマシンにより掘り進められた、トンネルの断面が広がります。トンネルは外径12.3メートル、内径11.5メートル。大量の資材や土砂をスムーズに運搬するため、床板により上下が分離されています。
床板の上部では、汎用車両により生コンや資材を運搬、連続ベルコンで掘削された土砂が運ばれます。

床板の下部では、タイヤ式自走のセグメント搬送台車によりセグメントが搬送されます。
セグメントの幅は過去最大となる2メートル、厚さ40センチメートル。大8つと小1つを組み合わせることにより、リングを1つ、すなわちトンネルを2メートル分をつくることができます。
セグメント搬送台車は最高時速15km、1編成(5輌)で1リング分のセグメントを搬送します。
坑口に用意されたバスに乗り、シールドマシンが掘り進めているトンネルの先へと移動します。
土被りと呼ばれるトンネルの深さは、最小で五反田出入口付近の約14メートル、最大で南品川換気所付近の約46メートルとなっています。
バスで、トンネルの先端部より1.5km手前まで進みます。
緩やかなカーブが続きます。トンネルの上部にある緑色のダクトは、トンネルの先端部へ新鮮な空気を送る役割を担います。
汎用車両がすれ違う場合、トラックミキサー車が優先となります。どの汎用車両も、ナンバープレートは黒一色となっています。
トンネルの先端部より1.5km手前でバスから降り、床板の上部を徒歩で進みます。床板の下部には、セグメント搬送台車のレールが延びています。
カメラのレンズが一瞬にして曇ってしまうほど、高い湿度となっています。
ここから1.5km先では、シールドマシンがトンネルを掘り進めています。階段を上がり、通路を進みます。

床板がなくなり、セグメント搬送台車のレールが延びています。
床板をつくる作業が進められています。
鉄筋組立やコンクリート打設が行われています。
シールドマシンの後方には4台の後続台車が続き、シールドマシンやセグメント供給装置をサポートします。
鋼製のセグメントにより造られた横連絡坑は、道路が開通すると、非常時の避難口となります。
セグメント供給装置の後方部分へとたどり着きました。
セグメント供給装置の中へと入っていきます。
轟音とともに、セグメントを積んだセグメント搬送台車が走ります。
シールドマシンの後方部分へとたどり着きました。
振り返り、セグメント供給装置の前方部分を見てみます。

バキューム装置により、セグメントが降ろされていきます。
シールドマシンの後方には、パネルで情報が表示されています。
シールドマシンへ、セグメントが次々と送り込まれます。
セグメントにはポリプロピレン繊維が混入されていて、耐火機能を持っています。また、大きな建物の下など荷重がかかる箇所では新しく開発された、背面が鉄板で覆われている合成セグメントが使われています。
さらに階段を上って先へ進むと、シールドマシンの先端部を見ることができます。シールドマシンは外径12.55メートル、長さ14.22メートル、重さ2,000t。4階建てのビルの高さがあります。1ヶ月で約400メートル掘り進みます。
バキューム装置でセグメントを持ち上げるバキューム式のエレクターで、セグメントの割れや欠けが防止されています。
ここにて「首都高講座 32限目:猛暑 汗だく トンネルツアー」は終了となります。タイトルのとおり汗だくになりながら、中央環状品川線の建設には最先端の技術がふんだんに盛り込まれていることを目の当たりにすることができました。
中央環状品川線が開通することで、新宿〜羽田空港の所要時間は約40分から約20分となり、用賀〜東京ディズニーリゾートの所要時間は約50分から約30分へと、それぞれ短縮されます。
慢性的な渋滞が緩和され、車の排出ガスの量が減ることで環境改善の効果も期待されます。
中央環状品川線の開通を、心より願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 27限目:トンネル防災設備を学び、換気所&川崎線からの夜景を楽しもう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。27限目は「トンネル防災設備を学び、換気所&川崎線からの夜景を楽しもう」として、2010年(平成22年)12月14日に行われました。

「首都高講座 27限目:トンネル防災設備を学び、換気所&川崎線からの夜景を楽しもう」では、トンネル防災設備を学び、換気所&川崎線からの夜景を楽しみます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上の約20名が参加しました。14時50分にJR東神奈川駅および京急仲木戸駅近くの首都高速道路神奈川管理局へ集合します。
まずは、バスで30分ほど走行。首都高速湾岸線・首都高速神奈川6号川崎線・東京湾アクアラインが連絡する川崎浮島ジャンクションにある多摩川トンネル第一換気所にて、施設管制室を見学し、展望室から夜景を見ます。
施設の入口には、帆船と飛行機、そして多摩川トンネル第一換気所をモチーフとしたタイル画が飾られています。
「首都高講座 2限目:神奈川地区の交通管制室と保全点検」にて見た、施設管制室へと移動します。
首都高速道路湾岸線の多摩川トンネルを24時間態勢で監視して、事故による対応などを行います。
多摩川トンネルでは25メートルを1区画として、88区画にスプリンクラーが設置されています。
試験として披露されたのは、スプリンクラーが作動する直前の状況となります。区画を示す赤色のラインが画面に表示されます。
エレベーターで、7階にある展望室の、浮島ジャンクションを見ることができる場所へと移動します。
展望室には資料や模型が展示されています。
施設は四角形の建物で、展望室からは浮島ジャンクションの全体を見渡すことができます。

クリックすると拡大します 首都高の地図「川崎浮島ジャンクション」より引用・加筆
1時間30分ほど、自由に写真撮影をする時間が設けられました。
正面に、首都高速湾岸線の横浜方面を望みます。左方向は東京湾アクアライン、右方向は首都高速神奈川6号川崎線となります。
右の奥に、湾岸浮島本線料金所があります。首都高速湾岸線で横浜方面へ向かう際に通行します。
首都高速神奈川6号川崎線の大師方面を望みます。
先へ進むと、大師ジャンクションへと接続します。
川崎浮島ジャンクションにパーキングエリアを併設する計画があったものの、近くに大黒パーキングエリアが存在するために工事は中止となり、道路は途中で途切れています。
東京電力が建設を進めている浮島・扇島太陽光発電所があり、その先には工場が建ち並びます。
首都高速神奈川6号川崎線の一部の橋脚は、大師をイメージした朱色に塗られています。

川崎浮島本線料金所があります。首都高速神奈川6号川崎線で大師方面へ向かう際に通行します。
川崎浮島ジャンクションのほぼ中央に、ソーラーパネルがあります。
首都高速道路では、周辺環境や地球環境に配慮し、積極的にソーラーパネルを設置しているとのことです。
NEXCO東日本の管理となる東京湾アクアラインの、木更津方面を望みます。海の上に浮かぶ円筒状の施設は「アクアライン探検隊 プレミアムコース」にて見た、東京湾アクアラインの換気施設である「風の塔」(川崎人工島)です。
ピラミッドのような形の建物は、東京湾アクアラインにおける浮島換気塔となります。
浮島換気塔は以前、三角すいでした。
しかし、羽田空港に新しくD滑走路が造られ、付近の建築物に対して新しい高さ制限ができたため、三角すいの頂上部分が削られました。
クリックすると拡大します
展望室の、羽田空港を見ることができる場所へと移動します。
格納庫が並び、「空の日フェスティバル2010 羽田空港 管制塔見学」にて見た、新管制塔を見ることができます。
羽田空港のD滑走路が広がります。
D滑走路は、半分が埋立地、残りの半分は鋼管杭を打ち立てた上に鋼構造物を載せた桟橋となっています。
17時過ぎ、道路にライトが照らされはじめました。東京湾アクアライン方面を望みます。

クリックすると拡大します
クリックすると拡大します
リクエストにより、10分ほど撮影の時間が延長されました。
多摩川トンネル第一換気所での施設管制室の見学はここまでとなります。
再びバスに乗車して、30分ほど走行します。
首都高速神奈川6号川崎線からの工場夜景を堪能するために、車内が消灯される演出がなされました。
首都高速1号羽田線と首都高速神奈川6号川崎線が連絡する大師ジャンクションにある大師換気所にて、屋上から夜景を見ます。
「高速神奈川6号 川崎線(殿町〜大師ジャンクション)開通 一般開放デー 川崎みらいトンネル」にて見た、大師ジャンクションに到着します。
円を描く大師ジャンクションの道路の中に、大師換気所が建っています。
首都高速1号羽田線方面および大師出入口へと続く道路です。
川崎浮島ジャンクション方面へと続く道路となります。
1時間ほど、自由に写真撮影をする時間が設けられました。施設の4階にある屋上からは大師ジャンクションの全体を見渡すことができます。

クリックすると拡大します
手前には大師ジャンクションの地下と地上とを結ぶ道路が円を描きます。
遠くには「大師橋 開通記念式典」にて見た、大師橋があります。
ここにて「首都高講座 27限目:トンネル防災設備を学び、換気所&川崎線からの夜景を楽しもう」は終了となります。
夜景やジャンクションが好きな人にはたまらない、今まで以上に写真撮影を意識した首都高講座となりました。
来年以降も、楽しい首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 26限目:大橋JCT品川線連結部と山手通りの整備について学ぼう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。26限目は「大橋JCT(おおはしジャンクション)品川線連結部と山手通りの整備について学ぼう」として、2010年(平成22年)10月28日に行われました。

「首都高講座 26限目:大橋JCT品川線連結部と山手通りの整備について学ぼう」では、中央環状品川線と高速3号渋谷線を結ぶ大橋連結路の工事と中央環状新宿線にあわせて整備を行っている山手通り(環状6号線)の拡幅工事について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上の約20名が参加しました。
14時に大橋ジャンクションのPRルームへ集合、概要説明の後、現場へと向かいます。まずは、「中央環状品川線と高速3号渋谷線を結ぶ大橋連結路の工事」を学びます。
中央環状品川線は、すでに供用されている中央環状新宿線と湾岸線とを結ぶ、中央環状線の南側部分にあたる首都高速道路。現在、3号渋谷線と中央環状新宿線は大橋ジャンクションで結ばれていて、ここに中央環状品川線を接続することで、中央環状線が完成します。

整備が完了すると、3号渋谷線・4号新宿線・5号池袋線を結ぶ中央環状新宿線、3号渋谷線、湾岸線から続く中央環状品川線が、大橋ジャンクションで接続することになります。
大橋ジャンクションでは現在、
・大橋連絡路工事:3号渋谷線と中央環状品川線を接続
・本線接続工事:中央環状新宿線と中央環状品川線を接続
・再開発事業:周辺ビルを再開発
の、大きく分けて3つの整備が進められています。
3号渋谷線と中央環状品川線を結ぶ道路が「大橋連結路(おおはしれんらくろ)」となります。
大橋ジャンクションの近くに「開削部」と呼ばれる立坑を掘り、地下で組み立てた円筒状のトンネルを掘るシールドマシンで、中央環状品川線に向かって「シールド部」と呼ばれる約500メートルのトンネルを掘削します。うち、約200メートルは中央環状品川線のトンネルと一体化させる「接続部」となります。
大橋連結路は、上下2層のトンネルとなります。
大橋連絡路と本線との接続部は、トンネル同士の側面を削って結合する「非開削切開き工法」で行われます。
すでに供用している中央環状新宿線と、整備が進む中央環状品川線は、いずれも環状6号線とも呼ばれる「山手通り(やまてどおり)」の地下に造られています。山手通りと3号渋谷線の下に位置する国道246号を結ぶ道路「山手通り支線(やまてどおりしせん)」の地下に、大橋連結路が造られます。
山手通り支線の中央作業帯には防音ハウスが建てられ、地下約30mではトンネルを掘るためのシールドマシンの部材が運び込まれます。道幅が狭い山手通り支線において、狭い作業帯でも施工可能な「CSM(Cutter Soil Mixing)工法」が選定されたことにより、交通に及ぼす影響を極力抑えることが可能になりました。
大橋ジャンクションに沿った外回り作業帯には大橋連絡路を造るための開削部があります。
階段で地下へと移動します。
天井には電気やガスなどの配管が張り巡らされています。地下へと向かいます。
地下1階へと着きました。
上下2層のトンネルになっている大橋連結路、上が大井方向、下は大橋方向となります。

シールドマシンが進むための準備が行われています。
大井方向へ向かう道路となるシールド部を掘る、シールドマシンが発進するための箇所となります。

シールドマシンの外径は9.7メートル。ここから中央環状品川線の接続部まで、約500メートルを掘削することになります。
大橋方向へ向かう道路となるシールド部を掘る、シールドマシンが発進するための箇所となります。
シールドマシンの組み立てが行われています。
振り返ります。反対側は、大橋ジャンクション方面となります。
壁の先が掘り進められると、大橋ジャンクションと接続することになります。
さらに地下へと進みます。
地下3階へと着きました。シールドマシンを支えるための様々な機材が準備されています。
組み立ての進むシールドマシンが見えてきました。
組み立て途中の、大橋方向への連絡路シールドを掘るシールドマシンです。
シールドマシンは、外径:直径9.7メートル、全長:10,130mm、重量:約800tとなっています。1日に最大9メートルを掘削することができます。

シールド駆動部を再利用することで、回転される立坑が不要になり、コスト縮減となる「DSR(Draw a Shield for Recycle)工法」が選定されました。
振り返ります。反対側は、大橋ジャンクション方面となります。シールドマシンの様々な部品が点在しています。
シールドマシンの完成は2010年(平成22年)11月下旬を予定しているとのことです。
バスに乗車します。3号渋谷線の三軒茶屋入口から大橋ジャンクションを通り、初台南出口より山手通りの中落合駅付近まで移動します。
次に、「中央環状新宿線にあわせて整備を行っている山手通り(環状6号線)の拡幅工事」を学びます。街路整備状況を見ながら概要説明を受けた後、「中井富士見橋(なかいふじみばし)」の桁架設現場へと移動します。
中井富士見橋は、西武新宿線の中井駅と妙正寺川(みょうしょうじがわ)の上に架かる、約210メートルの山手通りの橋です。現在、池袋方面から新宿方面へと移動する、内回りの道路の架け替えの作業が続いています。
橋のたもとの架設は、少しずつ桁を延ばす「トラッククレーン・ベント工法」で行われました。200t吊油圧クレーンで、ベントと呼ばれる桁を支える仮の台を設置、上に桁を造り、できた桁の上にクレーンを移動して再びベントを設置してベントを撤去します。作業を繰り返すことで、橋の桁を少しずつ延ばしていくことができます。
橋の中央の架設は完成した橋をたもとから送り出す「手延べ式送り出し工法」で行われます。
送り出される橋の桁が設置されています。桁は、長さ:約80メートル、幅:約15メートル、高さ:約2.5メートル、重さ:454.1tとなっています。
振り返り、山手通りの池袋方面から新宿方面を望みます。地下を通る中央環状新宿線の換気を担う、上落合換気所の換気塔を眺めることができます。
仮設の歩道からは、送り出しを待つ橋の桁を横から見ることができます。
桁の下には、自走台車や後方台車といった、桁を支える台車が設置されています。
台車を使って桁を送り出すため、レールが備わっています。
ここにて「首都高講座 26限目:大橋JCT品川線連結部と山手通りの整備について学ぼう」は終了となります。大橋ジャンクション品川線連結部と山手通りの整備について、今回の首都高講座により深く理解することができました。
地下の中央環状線と地上の山手通りの整備により、スムーズな交通の流れと快適な道路の空間を期待できます。
中央環状品川線の無事の開通と山手通りの整備の完了を、心より願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 6限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。6限目は「開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」として、2009年(平成21年)1月15日に行われました。

首都高講座6限目は開通1周年を迎える「首都高速道路中央環状新宿線(山手トンネル)の神山町換気所」について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上15組30名が参加しました。
14時、山手通りの神山町換気所に集合となります。
首都高講座6限目は、首都高講座5限目とほぼ同じ内容となっています。ここでは概略だけ記しますので、詳細は2008年(平成20年)12月11日に行われた首都高講座5限目の記事「ラジエイト - 首都高講座5限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」をご覧ください。
駒場東大付近の、山手通りの中央分離帯に工事が進む、首都高速道路中央環状新宿線(山手トンネル)の神山町換気所があります。参加者はヘルメットをかぶり、換気所の内部へ入ります。
まずは、換気ファン室へ移動して、山手トンネルの概要と工事や設備の説明を聞きます。
換気所は、トンネルを走る自動車から排出される排気ガスや、万が一に発生した火災などの煙を排出するため、換気に必要なファンなどを設備した施設です。
山手トンネルには神山町換気所を含めて9カ所の換気所が設置されています。
トンネルの、排気の流れに沿って見て行くことにします。
地上に設置された「給気塔」から入った空気は道路の下の送空ダクトを通り、道路へと送られます。排気ガスを含んだ空気は道路の上から排気され、道路の下の送空ダクトを通り、換気所へと集められます。
トンネルの中の排気ガスは、巨大な送風機である「換気ファン」により、「送空ダクト」を通して集められます。
火災が発生した際の排煙を集めるためにも使われます。換気ファンには振動対策が施されています。
換気ファンから発生する大きな音を軽減するため、「消音装置」が設置されています。
筒状の装置を通ることにより騒音は規制基準値以下に低減、静かな公園および図書館の室内程度になるとのことです。
集められた排気ガスは、「SPM除去装置・低濃度脱硝装置」を通ることで、無害に近い空気へと生まれ変わります。
きれいになった空気は、排気塔の真下へ送られます。
高さ45mの排気塔を使って吹き上げられた空気は、毎秒約10m(時速約36km)の速さで約100mの高さまで上り、拡散されます。
階段を下り、道路となるトンネルへと向かいます。
トンネルは、「セグメント」と呼ばれるトンネルの壁面は3種類のマテリアルで構成されていて、色により違いを確認することができます。
黒色の金属は「DCセグメント(鋳鉄 ちゅうてつ)」、白色の金属は「STセグメント(鉄)」、白色のコンクリートは「RCセグメント(鉄筋コンクリート)」。通常はRCセグメントで構築され、トンネルに負荷がかかる部分にはDCセグメントが、後に壁面に穴を開ける部分にはSTセグメントが使われるとのことです。
先へ進むと西新宿JCTに、反対側へ進むと大橋JCTに接続します。
今回も、非常口からの避難を体験することができました。地上部につながる非常口への階段を上がり、「首都高講座 6限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」は終了となります。
トンネルにおける換気所は、環境を考慮した空気の入れ替えや避難するための重要な施設であるということを、今回の首都高講座により学ぶことができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
写真提供:rodo sakurai様
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 5限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。5限目は「開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」として、2008年(平成20年)12月11日に行われました。

首都高講座5限目は開通1周年を迎える「首都高速道路中央環状新宿線(山手トンネル)の神山町換気所」について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。18歳以上15組30名が参加しました。
14時、山手通りの神山町換気所に集合となります。
駒場東大付近の、山手通りの中央分離帯に3本の高い排気塔を見ることができます。工事が進む、首都高速道路中央環状新宿線(山手トンネル)の神山町換気所です。
参加者はヘルメットをかぶり、3本の排気塔のうち1本の真下にある、ハッチの中の階段を下ります。
換気所の内部へ入ります。
まずは、換気ファン室へ移動して、山手トンネルの概要と工事や設備の説明を聞きます。
首都高速道路では、3号渋谷線(大橋JCT)・4号新宿線(西新宿JCT)・5号池袋線(熊野町JCT)の延長約11kmを一直線に結ぶ、中央環状新宿線(山手トンネル)と呼ばれる道路の工事を進めています。約11kmすべてが、山手通りに沿った地下約30メートルの、片側2車線のトンネルとなっています。
山手トンネルのうち、4号新宿線(西新宿JCT)と5号池袋線(熊野町JCT)とを結ぶ約7kmは、開通して今年で1周年となりました。現在は、2010年度(平成21年度)の開通を目指して、3号渋谷線(大橋JCT)と4号新宿線(西新宿JCT)とを結ぶ約4kmの工事が進められています。
トンネルを走る自動車から排出される排気ガスや、万が一に発生した火災などの煙を排出するため、山手トンネルには神山町換気所を含めて9カ所の換気所が設置されています。
地上に設置された四角い「給気塔」から入った空気は道路の下の送空ダクトを通り、道路へと送られます。排気ガスを含んだ空気は道路の上から排気され、道路の下の送空ダクトを通り、換気所へと集められます。集められた排気ガスは、環境基準を充分に満たした空気に浄化された後、高さ45mの「排気塔」から毎秒約10mの速さで、約100mの高さまで吹き上げられて拡散されることになります。
トンネルの、排気の流れに沿って見て行くことにします。
トンネルの中の排気ガスは、巨大な送風機である「換気ファン」により、送空ダクトを通して集められます。
火災が発生した際の排煙を集めるためにも使われます。換気ファンには振動対策が施されています。
換気ファンから発生する大きな音を軽減するため、「消音装置」が設置されています。筒状の装置を通ることにより騒音は規制基準値以下に低減、静かな公園および図書館の室内程度になるとのことです。

反対側から拡声器を使って叫ばれた声は、消音装置を通るとささやくような声になります。
集められた排気ガスは、「SPM除去装置・低濃度脱硝装置」を通ることで、無害に近い空気へと生まれ変わります。
排気ガスに含まれる浮遊粒子状物質(SPM)は一日平均で80%以上、二酸化窒素(NO2)は一日平均で90%以上と、大幅に除去され、大気汚染を防止します。
低濃度脱硝装置には「吸収式」と「吸着式」があります。山手トンネルの要町・上落合・中落合・東中野の4箇所の換気所では吸収式を採用、本町・西新宿・代々木・神山町・大橋の5箇所の換気所では吸着式が採用されています。吸収式と吸着式に大きな性能の差はないとのことです。
きれいになった空気は、排気塔の真下へ送られます。


高さ45mの排気塔を使って吹き上げられた空気は、毎秒約10m(時速約36km)の速さで約100mの高さまで上り、拡散されます。
排気塔から排出された二酸化窒素は環境基準と比べて数百分の一以下となり、地表付近への影響は非常に小さくなります。

換気塔の真下から見上げると、換気塔が六角形であることを確認することができます。
トンネルに設置される、様々な防火設備が並びます。火災が発生した際、ドライバーが利用する設備として、「消火器・泡消火栓」「押ボタン式通報装置」「非常電話」「非常口」などがあります。
デモンストレーションとして、消火器・泡消火栓などを手に取り、火災のシミュレーションをすることができました。力がない人でも、楽に操作をすることができるようになっています。
換気ファンなど様々な大型の設備を搬入するために、施設の通路は広い幅が取られていました。
階段を下り、道路となるトンネルへと向かいます。
トンネルは、筒状のシールドマシンという機械で掘られました。トンネルの上半分は道路に、すでに見えていない下半分は外からの空気や中からの排気ガスが通る送空ダクトなどが通ります。

「セグメント」と呼ばれるトンネルの壁面は3種類のマテリアルで構成されていて、色により違いを確認することができます。
黒色の金属は「DCセグメント(鋳鉄 ちゅうてつ)」、白色の金属は「STセグメント(鉄)」、白色のコンクリートは「RCセグメント(鉄筋コンクリート)」。通常はRCセグメントで構築され、トンネルに負荷がかかる部分にはDCセグメントが、後に壁面に穴を開ける部分にはSTセグメントが使われるとのことです。
3号渋谷線(大橋JCT)方面となります。
先へ進むと、大橋JCTに接続します。
4号新宿線(西新宿JCT)方面となります。
先へ進むと、西新宿JCTに接続します。
トンネルから避難する流れで歩きます。まだ工事が進む、待避所がありました。

地上部へ避難するため、通路を抜けます。
今回は特別に、非常口からの避難を体験することができました。地上部につながる非常口への階段を上がります。
地上部非常口扉手動解放装置を押すことにより、非常口が開かれます。
非常口は、重りによりハッチを制御する構造となっています。
非常口が開かれました。工事が進む今の段階においても、開かれることは滅多にないとのことです。
地上部に出ることができました。山手通りの中央分離帯となります。
非常口を閉めるためには、ハンドルを回し続ける必要があるようです。
地上部分にて、「首都高講座 5限目:開通1周年企画!国内最先端の神山町換気所を学ぼう」は終了となります。
中央環状新宿線(山手トンネル)の整備により、首都高速道路および周辺の一般道路の交通の流れがスムーズになり、排気ガスの量が減少、大きな環境改善が期待できます。
トンネルにおける換気所は、環境を考慮した空気の入れ替えや避難するための重要な施設であるということを、今回の首都高講座により学ぶことができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 4限目:レインボーブリッジ開通15周年 東東京管理局
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。4限目は「レインボーブリッジ開通15周年 東東京管理局」として、2008年(平成20年)11月13日に行われました。

首都高講座4限目は「東東京管理局と開通15周年を迎えたレインボーブリッジ」について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。高校生以上のペア5組9名が参加しました。
14時、東京メトロ半蔵門線水天宮前駅近くの首都高速道路東東京管理局に集合。見学におけるスケジュールや注意事項などの説明を受けます。
首都高速道路は、東東京管理局・西東京管理局・神奈川管理局の3地区に分けて管理されています。それぞれの管理局に交通管制システムがあり、保全点検がなされています。
首都高速道路東東京管理局の建物にある「交通管制室」へ移動します。
カーナビやラジオよりも新しい首都高速道路の交通情報が、巨大なグラフィックパネルとモニター画面にリアルタイム表示されています。
パネルには、交通の状況が色分けして表示されています。赤色で表示されている道路は20km/h以下の「渋滞」、橙色で表示されている道路は20km/h〜40km/hの「混雑」となっています。この時は目立った渋滞もなく、車の流れが非常に順調でした。
開通15周年を迎えた「レインボーブリッジ」へ移動します。一般の人がレインボーブリッジの内部に案内されるのは、今回が初めてとのことです。
レインボーブリッジは、東京都港区の芝浦とお台場とを結ぶ吊り橋。1987年(昭和62年)着工、1993年(平成5年)8月26日開通。全長798m。2008年(平成20年)である今年で15周年となります。
橋は、上下2層構造になっています。上層には首都高速道路11号台場線、下層には中央部に臨海新交通システム・ゆりかもめ、その両側に一般道路東京都道482号台場青海線の車道と遊歩道であるレインボープロムナードが通っています。
レインボーブリッジは、芝浦側と台場側にそれぞれ塔「主塔(しゅとう)」と橋台「アンカレイジ」を設置、橋の両側に2本の「メインケーブル」を張り、道路となる「桁」を「ハンガーロープ」で吊って造られた吊り橋です。芝浦側の主塔と台場側の主塔との間を「中央径間」、それぞれの主塔とアンカレイジとの間を「側径間」と呼びます。
ヘルメットや安全帯を装着。まずは、吊り橋のケーブルを固定するために設置された巨大なアンカレイジの内部へと移動します。
アンカレイジの平面寸法は45m×70m。主塔から張られたケーブルを、アンカーフレームに固定する役目を持っています。
芝浦側にあるアンカレイジの内部へ入りました。レインボーブリッジのケーブルが束になって固定されています。束ねられた上部から固定されている下部までの長さは35m。巨大であることは、下部にある階段の大きさと比べるとよくわかります。

1本のケーブルに、素線127本からできた「ストランド」を中央径間で127束、側径間で130束が使われています。つまり橋の両側、2本のメインケーブルを合わせると、素線の数は中央径間で127×127×2=32,258本、側径間で127×130×2=33,020本となります。
ケーブル張力点検の実演が行われました。ケーブルの張力を測定することで、橋の状態を把握することができます。
詳細点検項目は22あり、点検結果を総合的に分析することでレインボーブリッジが健全であるかどうかを判断しています。
アンカレイジの内部にはエアコンが4台設置され、温度と湿度が一定に保たれています。
架設地点でこれまでに記録された台風の最大風速は40m/s程度。レインボーブリッジは67m/sの強風にも耐えられるように設計されているとのことです。また、大きな地震にも耐えることができるようになっています。
橋の裏側を点検するため、道路の下側に3つの「ゴンドラ」が設置されています。ゴンドラの一部が延びたり縮んだりすることで隅々まで点検が可能になります。点検には約1ヶ月がかかるとのことです。
芝浦側の主塔の、塔頂部へと移動します。海面から125mある塔頂部へは、点検用のエレベーターを使い、4分ほどかけて昇ります。40階建ての超高層ビルとほぼ同じ高さです。
主塔の中に4つあるエレベーターも1ヶ月に1度、梯子を利用して点検が行われています。
塔頂部の下は首都高速道路となっているため、小さな落下物が重大な事故を引き起こします。当日は風が強いということもあり、携帯電話やカメラでの撮影は禁止となりました。
写真では紹介することができませんので、イラストとなります。芝浦側の主塔から台場側を見下ろした風景です。
点検は、直径80cmのメインケーブルの上を歩いて行われます。約1.9kmにもなる橋の両側のメインケーブルを、約1週間かけて点検します。
芝浦側の主塔と台場側の主塔は570m離れて垂直に建っています。しかし、地球が丸いため、それぞれの塔頂部は570m11mm離れているとのことです。
芝浦側の主塔から芝浦側を見下ろした風景です。
点検用のエレベーターを使い、3分ほどかけて降ります。
地上と移動して、「首都高講座 4限目:レインボーブリッジ開通15周年 東東京管理局」は終了となります。
レインボーブリッジが完成して15周年という節目を迎えたことから、2008年(平成20年)12月1日から2009年(平成21年)1月4日まで、日没から24時までの間、292個の投光器を用いて虹色に輝きました。
また、東京タワーが完成して50周年を迎えたため、2008年(平成20年)12月の2日から6日まで、12月の15日から25日までの間、20時00分から10分間、スペシャルライトアップ。10分間はレインボーブリッジと東京タワーの、虹色の共演を観ることができました。

東京臨海部と都心とを結ぶ交通の施設という役割だけでなく、東京の景観を代表するレインボーブリッジ。利便性と安全性とを兼ね備えた施設として、都市の発展に欠かせない存在として、今後も維持されることを望みます。
様々な施設において保守や点検が継続して行われていること、そしてその重要さを、今回の首都高講座であらためて実感することができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 3限目:川崎縦貫線大師ジャンクション
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。3限目は「川崎縦貫線大師ジャンクション」として、2008年(平成20年)10月18日に行われました。

首都高講座3限目は「川崎縦貫線大師ジャンクション」について学びます。
川崎縦貫線(かわさきじゅうかんせん)の大師(だいし)ジャンクションは、高速川崎縦貫線(高速神奈川6号川崎線)と高速神奈川1号横羽線を接続するための施設。完成すると、高速神奈川1号横羽線・高速湾岸線・東京湾アクアラインが、高速川崎縦貫線によって最短の距離で結ばれることになります。
大師ジャンクションは、二段階の併用が予定されています。大師ジャンクションの近くで以前より併用されている高速神奈川1号横羽線の大師入口(上り線)と大師出口(下り線)は、東京方面に対する出入はできるものの、横浜方面に対しては出入ができませんでした。1段階目として2008年度(平成20年度)、国道409号に面して大師入口(下り線)と大師出口(上り線)が設置され、高速神奈川1号横羽線の横浜方面との出入ができるようになります。

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2段階目として2010年度(平成22年度)、高速川崎縦貫線の浮島方面との出入ができるようになります。同時に、高速神奈川1号横羽線と高速川崎縦貫線とを相互に利用することが可能になります。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。午前の部は小学生親子11組23名、午後の部は高校生以上のペア10組20名が参加しました。
京浜急行大師線の産業道路駅から徒歩約5分のところにある建設現場の事務所に集合。説明を受けた後、工事が進む大師ジャンクションを歩いて見学します。
まずは関係者以外立ち入り禁止の扉をくぐり、階段を下りて地下へと向かいます。
地下の分岐地点に出ました。左への道路は2010年度(平成22年度)に開通予定の高速川崎縦貫線の浮島方面、右への道路は今後予定されている富士見出入口方面へと分岐します。
分岐地点を背にして、本来の車の流れとは逆の方向へ進みます。
バンクのあるカーブとともに、地上が見えてきました。
大師入口(下り線)と高速神奈川1号横羽線から、高速川崎縦貫線の浮島方面へと向かう車が、大きく左のカーブを描きながら走行することになります。
振り返り、高速川崎縦貫線の浮島方面を見ると、バンクの大きさを実感することができます。
巨大な大師換気所を取り囲むように道路はカーブを描きます。
地上の合流地点に出ました。
国道409号に面して設置される大師入口(下り線)から続く道路は右から、高速神奈川1号横羽線から続く道路は左から合流します。
高速神奈川1号横羽線から続く道路を進み、さらに上りのこう配が続きます。
ジャンクションの大きなループを一周歩き、地下の分岐地点のほぼ真上に来ました。国道409号に面して設置される大師入口(下り線)と大師出口(上り線)の料金所が設置される予定の付近となります。
大師ジャンクションの広さは約73,000平方メートル、東京ドームの約1.5倍以上あります。中を通る高圧線は東京電力との調整をして、電圧を下げているとのことです。
高速神奈川1号横羽線から続く道路を、本来の車の流れとは逆の方向へさらに進みます。
ループの内側には、貯水槽が設置されています。大雨が降った際、雨水をそのまま流すのではなく、時間をかけて排水するためのものです。
右側は高速神奈川1号横羽線の横浜方面から大師出口(上り線)へ、2010年度(平成22年度)には合わせて高速川崎縦貫線の浮島方面へと続く道路となります。左側は大師入口(下り線)から高速神奈川1号横羽線の横浜方面へ、2010年度(平成22年度)には合わせて高速川崎縦貫線の浮島方面へと向かう道路となります。
左側の道路における高速神奈川1号横羽線の本線を超える部分は、大師ジャンクションでもっとも高い約21mの高さとなっています。この箇所の工事は、夜中に高速神奈川1号横羽線を通行止めにして、世界最大級の1250t吊り大型クレーンを使い一晩で完了させたとのことです。
大師換気所は、トンネルの中の排気ガスをきれいな空気にして、約45mの塔から上空100mくらいまで吹き上げ、拡散させることによって環境を守る施設です。施設はほぼ完成しています。脱しょう装置や浮遊粒子状物質除去装置などが導入される予定です。
「大師橋 開通記念式典」が行われた、多摩川に架かる主要地方道東京大師横浜(通称:産業道路)の大師橋を間近に見ることができました。
大師入口(下り線)から高速神奈川1号横羽線の横浜方面へと続く道路を、本来の車の流れとは逆の方向へ進みます。
振り返り、高速神奈川1号横羽線の横浜方面を見ます。右への道路は高速神奈川1号横羽線の横浜方面、左への道路は今後予定されている東京方面となります。
2008年度(平成20年度)に併用される長さは、大師入口(下り線)が1.4km、大師出口(上り線)は1.0kmとなっています。
今度は、2010年度(平成22年度)の併用が予定されている高速川崎縦貫線(高速神奈川6号川崎線)へと移動します。

大師立坑を、深さ約30mの地下へと移動します。国道15号へと続く富士見方面は壁となっていました。
富士見出入口から大師ジャンクションを経由して地上の殿町出入口まで、国道409号に沿って地下構造が続きます。大師ジャンクションと殿町出入口は延長約2km、うち約540mが地下構造となっています。外寸は約24mから22.5m、幅は約28mから約26mあります。
大師ジャンクション付近ではトンネルが上下に二分割され、上部が浮島方面への道路、下部は富士見方面への道路となります。浮島方面へ向かうにしたがってトンネルは二分割が上下から左右へと変わっていくとのことです。
工事は、MMST(マルチマイクロシールドトンネル)という工法で進められています。外殻と呼ばれる外側の壁を複数の四角い小型シールドマシンで掘削して、これらを相互につなぎ合わせた後、内部に土を掘削してトンネルを造る工法です。MMSTのシールドマシン1機は、幅3.1m、高さ7.9m、長さ9.7m、重さ670t。

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トンネルの一方には、ライフラインをまとめた共同溝が設置されます。上から電話・電気・上水・工業用水・ガス・換気ダクトとなります。
高速川崎縦貫線の浮島方面へと移動します。左側には共同溝のスペースが確保されていることがわかります。
殿町出入口が近づくにつれて、地上へのこう配が続きます。次第に上部に道路、下部に共同溝となっていきます。
地上と移動して、「首都高講座 3限目:川崎縦貫線大師ジャンクション」は終了となります。
川崎縦貫線大師ジャンクションの併用により、「利便性の向上」「渋滞緩和」「道路ネットワークの信頼性の向上」など、様々なメリットが期待されます。2008年度(平成20年度)の、高速神奈川1号横羽線の横浜方面とのアクセス、2010年度(平成22年度)の、高速川崎縦貫線の浮島方面とのアクセスや高速神奈川1号横羽線と高速川崎縦貫線との相互利用が待ち望まれます。
ジャンクションという巨大な施設に込められた多くの意義を、今回の首都高講座であらためて実感することができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座 関連:ラジエイト - 大師出入口(横浜方向)開通記念一般開放イベント
首都高講座 2限目:神奈川地区の交通管制室と保全点検
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。2限目は「神奈川地区の交通管制室と保全点検」として、2008年(平成20年)9月11日に行われました。

首都高講座の2限目は「神奈川地区の交通管制システムと保全点検(施設管理)」について学びます。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加できます。18歳以上の8名が参加しました。
JR東神奈川駅および京急仲木戸駅近くの首都高速道路神奈川管理局に、14時集合となります。
建物の中へ入り、施設やシステムの概略について説明を受けます。
首都高速道路は、西東京管理局・東東京管理局・神奈川管理局の3地区に分けて管理されています。それぞれの管理局に交通管制システムがあり、保全点検がなされています。
管理している道路は、東東京管理局は106.1km、西東京管理局は116.2km、神奈川管理局は71.2km。1日平均約28万台の通行台数がある神奈川管理局は、首都高速道路全体の24%を管理しています。
まずは、首都高速道路神奈川管理局の建物にある「交通管制室」へ移動します。カーナビやラジオよりも新しい首都高速道路の交通情報が、巨大なパネルに、リアルタイム表示されています。
神奈川管理局が管理している道路には「K」もしくは「B」と表記されています。延長は、高速神奈川1号横羽線(K1)が20.1km、高速神奈川2号三ツ沢線(K2)が2.3km、高速神奈川3号狩場線(K3)が10.2km、高速神奈川5号大黒線(K5)が4.6km、高速川崎縦貫線と呼ばれる高速神奈川6号川崎線(K6)が3.5km、高速湾岸線と呼ばれる神奈川線(B)が30.1km。高速川崎縦貫線と横浜環状北線は現在、工事が進行しています。
パネルは神奈川管理局が管理している道路に特化しているため、神奈川の道路は大きく表示されています。赤色で表示されている道路は20km/h以下の「渋滞」、橙色で表示されている道路は20km/h〜40km/hの「混雑」。渋滞のピークは平日の11時頃とのことです。
モニターには、道路を映すビデオカメラからの映像が流されています。
5号池袋線タンクローリー火災事故の現場の状況も見ることが可能です。
2台のバンに分乗して30分ほど走行、首都高速道路湾岸線の浮島ICにある多摩川トンネル第一換気所へと移動します。
これから見学する、多摩川トンネルにおける成り立ちと保全点検についての概要を学びます。かつては可能だった見学のための、トンネルの概要を示す模型やパネルが充実しています。
浮島ICに併設されている川崎浮島JCTは、首都高速道路湾岸線と東京湾アクアラインとを結びます。
首都高速道路湾岸線の浮島出入口および川崎浮島JCTから見て、東京側の羽田空港方面には多摩川の下を通る多摩川トンネルが、川崎側には川崎港の下を通る川崎航路トンネルがあります。トンネルの空気を入れ換えたり交通の管理をするため、多摩川トンネルの川崎側には多摩川トンネル第一換気所が、東京側には多摩川トンネル第二換気所が設置されています。
換気所には空気の入れ替えをする換気ファンを中心に、様々な設備があります。多摩川トンネル第一換気所の下に、首都高速道路湾岸線が通っています。
換気所における目的は、「首都高速中央環状新宿線 東中野換気所」と同じです。自動車から排出される排気ガスをトンネルの外へ出すため、万が一に発生した火災などの煙を排出するために、換気所が必要となります。
多摩川トンネル第一換気所は非常に見晴らしがよく、川崎浮島JCTを一望することができます。
模型を見た後、見渡してみることにしました。
川崎側を望むと、川崎浮島JCTが広がります。
中央には、首都高速道路湾岸線の西行き(本牧方面)に設置されている湾岸浮島本線料金所が見えます。東京線の料金と神奈川線の料金との区分けがなされる場所です。
川崎浮島JCTにPAを併設する計画があったものの、近くに大黒PAが存在するため、工事は見送られました。
建設の途中で途切れている道路を見ることができます。
多摩川トンネル第一換気所から川崎浮島JCTを見て右側には、高速川崎縦貫線と呼ばれる高速神奈川6号川崎線(K6)が延びています。
現在は殻町まで3.5kmの延長となっていて、2010年度(平成20年度)には高速神奈川1号横羽線(K1)と接続する大師JCTまでの7.9kmが開通する予定となっています。
多摩川トンネル第一換気所から川崎浮島JCTを見て左側、高速神奈川6号川崎線(K6)の延長線上には、海ほたるへと続く東京湾アクアラインがあります。
ピラミッドのような形の建物は、東京湾アクアラインにおける換気の施設、浮島換気塔です。
東京湾アクアラインはNEXCO東日本の管理となります。
浮島換気塔の先端越しに、円筒状の施設を見ることができます。「アクアライン探検隊 プレミアムコース」で見ることのできた、東京湾アクアラインの換気施設である「風の塔」(川崎人工島)です。
多摩川トンネルでの保全点検をする施設管制室へと移動します。
多摩川トンネルを24時間態勢で監視して、事故による対応などを行います。25メートルを1区画として、88区画にスプリンクラーが設置されています。「国道357号 空港北トンネル防災設備点検」のような防災設備が整っています。
首都高講座2限目のメインとも言うべき首都高速道路湾岸線の多摩川トンネルにおける点検業務を見学するため、管理用通路のある地下4階へと移動します。
扉には位置を示す紙が貼ってありました。
扉を開けると、管理用通路に出ることができます。
壁の向こうには首都高速道路湾岸線が通っています。
事故などにおける火災が発生した場合、非常口の扉を開けて、管理用通路を通り地上へと脱出することになります。

どちらへ逃げればよいか、一目瞭然になっています。
電話は、簡単に地上へと連絡することができるようになっています。


水噴霧手動起動装置が設置されていました。スプリンクラーを手動で制御することもできます。
多摩川トンネルは、多摩川の河口に位置しています。河口の水底に溝を掘って、別の場所で製作された沈埋函(ちんまいかん)と呼ばれる長さ約100mにもなる巨大な箱を船が引っ張り、所定の位置で沈めながらつなげて埋めていく工法で造られました。
多摩川トンネルで使われている沈埋函は全部で12函。浮いている沈埋函に水荷重をかけて、水より重くして沈めました。

沈埋函と沈埋函とを接合する継手部分には、外周に取り付けられたゴムガスケットと水圧が利用されたとのことです。
トンネルに異常がないかを調べる、点検業務の実演が始まりました。点検には「定期点検」「地震時点検」「異常時点検」があります。定期点検は徒歩により行い、道路の異常・損傷などを早期に発見し、適切な処置を判定するために行われます。構造本体については2年ないし1年に1回、継手部分については1年に1回、地盤については5年ないし2年に1回、点検します。
沈埋函が水平に保たれているか、コンクリートのひび割れの進行具合はどのくらいなのか、ひとつずつ丁寧に点検が行われます。調べた結果はデータベースで管理されます。
コンクリートの損傷には、ひび割れ・鉄筋の露出や剥離、内部の空洞があります。基本的に、コンクリート建造物は目で見たひび割れと、叩いたときの音を聞くことで状態を判断します。目で見えない部分には、機械で叩いてヘッドホンで音を聞き判断する簡易型高所用打音検査システムが用いられます。

また、空洞になってしまったコンクリートは熱しやすく冷めやすいという特性があるため、構造物表面の温度差を調べる赤外線法も使われます。
作業をひととおり見学した後、多摩川トンネル第一換気所を後にしました。
バンで再び首都高速道路神奈川管理局へと移動して、「首都高講座 2限目:神奈川地区の交通管制室と保全点検」は終了となります。
首都高講座のまとめとして、最後の「今日、見学していただいた施設は普段、思い出されないほうがよいです」という言葉を聞きました。首都高速道路における平成18年度の。事故件数は一日平均約32.7件、故障車発生件数は一日平均約28.1件、落下物処理件数は一日平均約95.8件。我々にできるのは、無謀な運転をしない、空気圧やガソリンを意識して運転する、落とし物をしないということ。日々、安全運転を心がけたいものです。
普段、何気なく利用している首都高速道路が、様々な人の地道な保守により安全な利用ができているということを、今回の首都高講座であらためて実感することができました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座
首都高講座 1限目:晴海線建設現場
「首都高講座」は、首都高速道路における工事の現場や施設、車両などを見学することのできるイベント。1限目は「晴海線建設現場」として、2008年(平成20年)8月9日に行われました。

首都高講座1限目は「晴海線建設現場」について学びます。
首都高速晴海線は10号とも呼ばれる、首都高速湾岸線につくられる東雲(しののめ)JCTから豊洲地区や晴海地区へと延びる、月島、勝どき、晴海、豊洲周辺へのアクセス向上を図るために建設が進めている新しい路線。2012年(平成24年)に築地から移転する予定の豊洲新市場(仮称)や、2016年(平成28年)に開催される予定の東京オリンピック(構想)での利用を想定して建設が進められています。
東雲JCTから豊洲出入口までの1.5kmは平成20年度内に完成。豊洲出入口から晴海出入口までの1.2kmは平成24年度に完成する予定です。設計速度は60km/h、車線数は往復2車線となっています。
首都高Newsについている見学会応募券をはがきに貼って応募、当選することで参加をすることができます。小学生親子約30名が参加しました。
10時、ゆりかもめ新豊洲駅近くの、首都高速晴海線の豊洲出入口となる中央分離帯に集合します。
今回、見学する首都高速晴海線は、2006年(平成18年)11月23日に開通した晴海通り延伸部および木遣り橋(きやりばし)の真上に位置します。「晴海通り延伸部(木遣り橋) 青海・有明南連絡線 開通記念式典」で、2年前の状態を見ることができます。
見学の主役は子どもたち。まずは、用意されたペンを使って「落書きコーナー」に思い切り落書きをします。
普段、することのできない壁への落書きを思い思いに楽しんでいました。落書きは、特殊なコーティングにより簡単に消すことが可能。落書きの定番、うんち・悪口・ドラえもんはいつの時代も変わらないようです。
参加者は3つの班に分かれて、時間差で移動します。まだ案内板が取り付けられていないゲートをくぐり、豊洲入口から東雲JCTへ向かう車道を歩きます。首都高速晴海線の豊洲入口からは、首都高速湾岸線へと行くことができます。
壁面のコンクリートの施工や路面のアスファルトの舗装などはこれからの作業となります。
まだコンクリートが流されていない鉄骨の中を抜けるパイプには、設置される電灯へ電気を供給するための電線が通ります。
路面のところどころには穴があいていて、排水が行えるようになっています。
先へ進むと、東雲運河を渡る橋が見えてきました。橋はコンクリート製ではなく、鋼鉄製。費用はかかるものの、耐力が大きいなどの利点から鋼鉄が用いられます。兵庫県呉市で造られ、東雲運河の上で組立られました。
一般道として架かる木遣り橋の真上になります。
説明会場が用意され、案内役の方より「晴海線の説明」や「橋の種類」についてわかりやすく教えてもらうことができました。

「8月の晴天での、鋼鉄でできている橋の温度は?」という問いに、子どもたちはさすがに「55度」という高温を言い当てることができませんでした。ちなみにコンクリートは30度から40度程度であるとのことです。
橋の上には料金所が設置されるため、道路の幅は広く確保され、設備の位置を示すびょうが打たれています。
このまままっすぐに進むと、首都高速湾岸線と接続する東雲JCTへと行くことができます。
中央に設置された移動用の橋を使い、反対車線へと移動します。
平成24年度に晴海出入口から先の豊洲出入口が完成すると、この中央の空間には本線ができることになります。
今度は東雲JCTから豊洲出口方面へと向かう車線を、東雲JCTへと向かって歩きます。
橋の中央に大きな穴があり、「この穴なんだ?」という問いが出されました。案内役の方が中へ入り、中で声が反響することを示します。
穴は、橋の内部にアクセスするためのもの。夏場なのでかなりの温度になっているとのことです。
鋼鉄の橋とコンクリートの道との連結部分には隙間があり、鋼鉄が暑さ寒さに応じて伸び縮みする特性を吸収しています。
橋と道との接続部分では必ず見ることができます。敷かれた線路と線路に隙間があることと同じ仕組みです。
「展示コーナー」へと入ります。まずは、高欄塗布作業(こうらんとふさぎょう)を見ることができました。
高欄とは、車両が外へ転落することを防止するために設置される柵。コーティング組成物を塗布することで、長い期間での使用に耐えることができるようになります。塗布をむらなく行うためには相当の経験と技量とが必要とのことです。
チョークが用意され、路面への落書きの時間が始まりました。

道路に落書きをする機会が減ってしまった昨今、子どもたちにはよい思い出となったに違いありません。
配水管展示、標識板展示と続きます。配水管は、厚さの異なる2つのものが使われます。
料金を示した標識板は、距離別料金が導入されるまでの短い使用期間となるとのことです。
実際に使われる標識板の大きさに皆、大きな声で驚いていました。
照明展示、情報板展示と続きます。照明ポールの長さは9m、約190kgの重量があります。

首都高速晴海線で使用される照明灯具は白色LEDランプで、184Wのワット数、約10kgの重量があります。横には、従来の道路で使用されている高圧ナトリウムランプも置かれていました。白色LEDランプにより、より明るく、軽くなったとのことです。
情報板は、首都高速の入口や本線分岐部において、通行止めや渋滞などの交通情報を文字にて表示するためのものです。
参加している子どもたちの名前が表示されていました。
「企画コーナー」へと入ります。まずは、ボルト締付実演を行います。工事で使われる機械で、ボルトの締付に挑戦です。
皆、上手に作業を行っていました。
待機していたマイクロバスで飲み物を飲みながら晴海線ビデオを観た後、作業車展示へと移ります。子どもたちは、路面を清掃する清掃車に乗車して車高などの感覚を楽しんでいました。

高所作業車もあり、間近で見ることができるだけでなく乗車の体験、首都高速晴海線を見渡すことができます。
高所作業車から、歩いてきた豊洲出入口方面を望んでみました。
首都高速晴海線の先に、ゆりかもめの専用高架軌道が横方向へ一直線に延びていることがわかります。その先には、起伏のある晴海大橋を見ることができます。
反対側の、これから向かう東雲JCT方面を望みます。
首都高速湾岸線の上下線が首都高速晴海線へ入るために合流する地点がよく見えました。「首都高講座1限目:晴海線建設現場」は終了となります。
挨拶の後、おみやげを頂き、解散となります。ゆりかもめ新豊洲駅へ戻る場合は避難階段から一般道へと降りて帰宅、先にあるりんかい線東雲駅へ行く場合はそのまま東雲JCTを歩くことができるとのことで、りんかい線東雲駅からの帰宅を希望しました。
中央に設置された移動用の橋を使い、再び反対車線へと移動します。

今度は道路よりも低い位置で移動をしたため、下部を見ることができました。
先ほど高所作業車から見た東雲JCTに到着、首都高速湾岸線の千葉方面へと向かいます。晴海線から湾岸線の横浜方面へ向かうA連絡線、湾岸線の千葉方面から晴海線へ入るB連絡線、晴海線から湾岸線の千葉方面へ向かうC連絡線、湾岸線の横浜方面から晴海線へ入るD連絡線があり、歩いたのはC連絡線となります。
バンクと呼ばれる、自動車が安定してカーブを曲がることができるための傾斜に、子どもたちは喜んでいました。
急なカーブにおいても橋と同様、鋼鉄製となり、直線のコンクリート製とのつなぎ目には接続部分を見ることができます。
遠方に、首都高速湾岸線との合流地点が見えてきました。
振り返ると、東雲JCTを一望することができます。手前の車線は、首都高速湾岸線の横浜方面から千葉方面へと向かう自動車の流れです。
次第に車線と同じ高さになってきました。
この先500mには、9号と呼ばれる首都高速深川線との分岐、辰巳JCTがあります。
いつもは自動車から見ている標識板を立ち止まってみることができました。
もう一度、振り返ると東雲JCTからの下り坂が確認できます。
非常階段より地上へ降りて、「首都高講座 1限目:晴海線建設現場」は終了となります。
首都高速晴海線が整備されることで、「都心環状線を利用してる築地・月島地区・晴海地区などの交通が首都高速湾岸線に直結、周囲の交通状況が改善される」「臨海部の開発に伴い発生する交通を首都高速湾岸線に直結させ、都心部との連絡が強化されるとともに、物流の効率化に寄与する」などの効果が期待されます。
普段、首都高速道路に馴染みのない子どもたちにとって、「首都高講座」は存在や意義を体感することのできる最適なイベントだったのではないでしょうか。炎天下の中、参加者へ飲み物を潤沢に配り健康に気づかったり、適宜、子どもたちへわかりやすく工事の説明をする姿勢に、感銘をも覚えました。
今後も引き続き、首都高講座が続けられることを願います。
公式:首都高速道路株式会社 | 首都高講座 関連:ラジエイト - 首都高スカイウォーク in 晴海


